私の祖母は4年前に亡くなりました。
母いわく、近所の人たちに悩まされる私を見ていると祖母を思い出すそうです。
「おばあちゃんもずっと近所の井戸端会議に悩んでたよ。もうずーっと何年も。家族旅行に行った時にまでグチを言うくらい」と母が言っていました。
祖母が井戸端会議に悩み始めたのは50代の頃。仕事を辞めて家にいるようになってからだったそうです。
それまでは働いていて家にあまりいなかったので井戸端会議に気づかなかったのか(?)井戸端会議には悩んでいなかったようです。
祖母の家の前で近所の人たちが集まっていつも井戸端会議していたそうです。
昔の家なので最近の家のように防音もしっかりしていないので、家の中にいても井戸端会議の声が聞こえてくる毎日。
「気が狂いそう・・・」
当時の祖母はよく母にそう言っていたそうです。
井戸端会議のメンバーの中に中心的人物(ボスママみたいなもんかな)がいたそうです。
その人を中心に約10年の間、井戸端会議が続いていました。
ところがそのボスママは祖母よりずいぶん年下だったにも関わらず、若くして亡くなったそうです。
それ以降井戸端会議はなくなり、あれだけ井戸端会議のグチを言っていた祖母は「やっぱり家が一番落ち着く」と母に言ったそうです。
祖母の家も私の家と同じように周りの環境は静かでとても良いところです。
井戸端会議さえなければ祖母ももっと長い間自分の家で過ごす事を楽しめただろうにと思います。
祖母とは大人になってからは年に数回会う程度でした。
でも私の事をとても可愛がってくれていて、祖母の家に行く度にいつも「ゆず子ちゃんか?よう来たな」と出迎えてくれました。
今でもあの優しい声をはっきりと思い出します。
祖母が亡くなってからはよく祖母の事を思い出していました。
今でもふっと思い出します。車の運転中とか、家にいる時とかにふと。
そして、「祖母だったら今の私の近所との関係についてどう言うだろう」とか、「井戸端会議の迷惑さについて語り合いたかったな」なんて思ったりもします。